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手製本依頼*観世流謡曲百番集





本の改装、オーダーうけたまわります


ということで
今回は、修理というよりも
自分好みに改装する
というご依頼でした




お預かりしたのは
『大成版 観世流謡曲百番集』昭和32年発行

ご依頼主さんは、能を習っていて
能のお稽古に、この本を使うそうです





函から取り出すと、このように・・・ん?
不思議な表紙・・

革装なのですが、チリが15mmほどあって
中身のサイズで折れ曲がっています

表紙は、中身を保護する役目があるとはいえ
このようにチリで包み込むような表紙は、はじめて見ました


包むように保護されていたため、中身はきれいなのですが
表紙の折れ曲がる部分の擦れ、摩耗、欠損がありました

函の大きさも、中身のサイズではなく
表紙を折れ曲げて収納するとぴったり、なサイズでした




見返しは、のどの破れなどもなく
本文も、ページ外れなど、なし




ですが、見返しと本文は、外れています
平ヒモを支持体にして、糸綴じされている本文のようです





・・・

さて、これをどうするか

ご依頼主さんの要望は
表紙を新しい革でつくりなおしたい

そして、見返しを
この和本の表紙の柄にしたい↓

ということでした
この鳥の表紙の和本も、これまた謡曲の本ということです





・・・
今の表紙を修理するよりも
新しい表紙に取り替える方が、簡単ではあります

なんとなく、もったいないような気もしますが
古い表紙を取り払い
新しい革の表紙にしました、完成◎


さてここで、この不思議な表紙


・・・・・・・・・
ちょうど修理が終わった数日後
日比谷図書館で行われている
ブックデザイナー祖父江慎さんの
展示&トークショーにいってきました

そこで・・・
この表紙を知りました!
それは、古い聖書の表紙でした
「垂れ装」と書いてあって、膝をポンッ、と
「垂れ革」という表記も・・・
なるほど、垂れ装というのか〜!
と、名称を知ることができて、収穫

祖父江さんは、夏目漱石の装幀を試行錯誤していて
その中に、この垂れ装を実験的に取り入れたものが
展示してありました
それは・・・裏打ち寒冷紗を垂れ表紙にしたもの!

いやいや、収穫&驚き、でしたね

製本用語集にも
「垂れ革表紙」載っています(→

書誌学を勉強すれば、出てくるのかな
兎にも角にも、本にまつわる展示には
できるだけ足を運んだほうが、いいですね
・・・・・・・・・・・・・




見返しは、あの和本の表紙と裏表紙を
裏打ちしてつなげて使いました

鳥が中心に集まってきているようにしてほしい
ということで
もとの生成色の表紙より、こちらの方がいい感じ

支持体の平ヒモもは、そのまま見返し裏へ貼りつけました
寒冷紗とクータで、背の補強も




垂れ革表紙も、しっかりと?折れます





この表紙、保護するためといっても
折れ曲がって表紙の損傷が進むのは困るな
とも思っていたのですが

こうやって本を開いたときに
チリが額縁のようになるのは、いいなあ、と思いました
本に書かれている文字が際立ってくるような感じ

和本のように、横置きで保管すれば
チリの損傷は少ない、わけですし

ご依頼主さんも、こうやって見開いた本を見ながら
能のお稽古をする、と言っていました、ふむふむ




謡曲、おもしろいです
身体の動きと、台詞?が書いてあります







見返しに使った和本の表紙に厚みがありましたが、
もとの函にも、収まります





函の小口側が少し開いてしまっていたので
これは、柔軟性のあるボンドで固定しました





ご依頼、ありがとうございました





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古本と手製本ヨンネ
植村愛音
mail→  info@yon-ne.com
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