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本の修理 パリのパノラマ写真集


 

 

 


本の修理をしました


 

 

パリのパノラマ写真集 1905年
糸かがり綴じ、ハードカバー、304頁

 

 

before

 


手製本なのか、支持体が2本ありました

さすがに弱いかもな…という印象です

本文紙は重めで

折丁の構造がその重さをさらに増しています

というのは4頁1折の折丁がいくつかあり、

その折丁では開いた片面に

見開きサイズのパノラマ頁を折って貼り付けていて

片側だけ6頁になっているからです

そうなるとバランスが悪く重さが増し

4頁1折の背(紙が1枚)に負担がかかります

支持体2本と紙が重めですし

背はつらかったかもしれません

 

また、横長本はめくりづらいため

いくつかの頁は写真にかかるように破けていました

 

その他、表側の遊び見返し紛失、

表紙は壊れておらず痛みのみです
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修理のご希望としては、

アンティークの良さを残したいので

表紙の痛みはそのまま残して

中身のバラバラをまとめたい

とのことでした

 


まず、表紙をそのまま使うには

見返しを剥がさないで修理したいと思いました

通常の製本では

中身と表紙は見返しでつながっていますが

支持体とクータ(背につける筒状の紙)があれば

支持体で表紙とつながることができるし

クータも背を支えることを手伝ってくれます

 

そこで、見返しノドについては

表側から裏打ちクロスでつなぎたいので

見返しノドに新しい素材が見えてしまっても良いか

ご依頼主さんに確認し、了承を得ました

 

なので、表紙は少し手直ししてそのまま、

中身をバラして製本をはじめから綴じ直します
 

 

 

 

・・・


中身の折をそれぞれ分けます

ノンブルがないのですべてメモ

汚れが酷く1枚1枚ドライクリーニング

折丁の背を和紙で補修

 

 

 

 

 

支持体5つの基本の糸かがり綴じで

背を綴じ直しました

 

 

 

 

 

遊び見返しは和紙の足をつけて

それぞれ最初と最後の折丁にまとめて綴じています

 

綴じ終わったら、

背固め、寒冷紗、クータをつけます


表紙は壊れていないので

弱った背芯材のみ取り外し

背を裏打ちして補強、新しい芯材を加えました

 

 


中身と表紙を合わせます

支持体を表紙裏に貼り付け、

クータも背に貼り、背を支えます

見返しノドには裏打ちクロスを貼りました

 

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表紙には手を加えていないので

before-afterの写真は特に変わりないです

新品ピカピカ!ではない古本の歴史が残りつつ

本文はきれいにめくりやすくなったかと思います

 

ご依頼主さんには

「こんなになるなんて想像していなかった」

と、ご連絡いただきました◎

 

喜んでいただけてよかった、嬉しいです

ご依頼、ありがとうございました

 

 

・補足

歴史で考えてみると

綴じ方は変えてしまっているので、

製本としての歴史を残すには

直さないという選択になるかもしれません・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・
本の修理の方法は
1つだけではありません
修理の目的、ご希望の素材や

予算などに合わせて
修理方法を考えさせていただきます

本の修理や手製本、お気軽にご相談ください

今までの本の修理のご依頼→
手製本のご依頼→


お問い合せについては
こちら→ 
をお読みの上、ご連絡をお願い致します

古本と手製本ヨンネ 
植村愛音
info@yon-ne.com

 

 

 

 

| 本の修理ビフォーアフター | 23:15 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 フルート教本


 

 

 


本の修理をしました
楽譜の修理が続きます


 

 


「Methode Complete de FLUTE」

フルート教本(洋書)1958
糸かがり綴じ、チリなしハードカバー

 

 

before

 

壊れている、というほどではなく

状態としては、表紙の痛みと頁の折れ

表紙がチリのないハードカバー仕立てのため

芯材が包まれておらず、端から剥がれてきている

 

 


 

 

 

 

 

何かビニールのようなもので

全体をコーティングできないですか?

という相談からはじまりました

 

確かにこの表紙は端が弱いので包み込みたい!

と私も思いました

そうはいっても大部分の平はまだまだ健康です

その上からビニール(ブッカー)で包むと

接着面を痛めるため忍びなく、

表紙を剥がして包み直すのは

手を加え過ぎることになります

本文もしっかり糸綴じなので、

このまま丁寧に扱えばまだまだ長持ちしそうです

 

 

依頼主さんが

今後どのような頻度で使い続ける予定なのか、

原本の素材を変えてよいのかよくないのか、

これからひどく壊れた時に

どうしたいか等をお伺いしました

 

できるだけ原本は保ちつつ

剥がれ部分が直る方法があれば・・・

ということになり、剥がれた部分は

接着剤で押さえる程度のお直しとなりました

芯材が丸見えになるので色味を整えて
本文の折れも戻しました
 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご依頼、ありがとうございました

 


こういった軽度の痛みは

(軽重は人によって感覚が異なりますが)

自分で直せそうだなぁと

テープを貼ったりする場合も多いと思います

 

人の身体の傷と異なり、

本に自然治癒力はありません

長く読み続けるとテープ部分はまた壊れてきます

つまり、可逆性のない直しを施すと

その後、直しづらくなってしまうのです

 

どんな修理方法があるのかな?

ご自身で考えるものと別の方法の可能性もあります

ご相談だけでもお気軽にどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 18:27 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 ピアノ楽譜

 




本の修理をしました


 

 

 

「HANON 全訳ハノンピアノ教本」全音楽譜出版社
糸かがり綴じ、ソフトカバー、見返しなし

 

 

before


表紙と背表紙の外れ、痛みと破れ
本文の破れと糸綴じがゆるみはじめ


 

 

 

 

 

買い直しもできるポピュラーな楽譜です

とはいえ書き込みや思い出が詰まっている、

なんといっても基礎のための大切な教本で

これから10年以上は使い続けたい、

とのことでした

背固めするだけでも直りそうですが、

それではおそらく長く保ちません

そこで、長く使い続けることができるように

製本をやり直しました

 

 

 

 

 



中身と表紙を分けます

中身は折丁毎に分けてクリーニングしてから

破れの補修と背の補修を施し、

支持体ありの糸かがり綴じで綴じ直し

 

 

見返しは無い製本でしたが

本文保護のためにも見返しを加えます

 

 

ソフトカバーの背表紙は

中身と一緒に動いて背割れしやすいので

中身と表紙の背の間にクータをつけます

補修した表紙と中身を合わせて完成です

 

 

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご依頼、ありがとうございました

 

いつも手に取る本がボロボロだと

心に痛みが引っかかることもあります

使いやすくきれいになった本で

目から、手から、そして心から

毎日少しでも清々しくなりますように

 

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 23:15 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 スコアブックや楽譜など

 

 




本の修理をしました

 

スコアブックや楽譜です

3冊あります

 

 

コロナ禍で趣味を再確認

以前使っていた楽譜を修理して

家族のためにピアノを弾いたり教えたり

子供と合奏して楽しく音を奏でたい

ということでした

 



 

 

 

 

・・・

「音楽会用 ピアノ独奏名曲集 初級編」

小川一朗編 新興楽譜出版社 1967年

糸かがり綴じ、ソフトカバー

 


before

 

 

 

背表紙がなくなり、テープで止めてあります

 

 

 

綴じ糸も切れてしまっています

 

 

 

裏表紙は失われてしまいました

 

 

 

 

 

 

 

本の中身を綴じ直すため、折丁をばらし、

弱ってしまった背を和紙で補修します


 

糸かがり綴じをしたあと

本来はなかった見返しをつけます

(中身を少しでも保護するため)

修理した表紙と新しい裏表紙を1枚に仕立て

中身と表紙を合わせて、完成です

 

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

「小さな手でひく やさしいピアノ連弾曲集 上」

竹田由彦編 全音楽譜出版社 1981年

糸かがり綴じ、ソフトカバー

 

 

before

 

 

中身は壊れておらず、糸もしっかりしています

表紙の痛みや欠けがありました

 

 

 

 

 

 

 

中身と表紙を分け、表紙を直します

本来はなかった見返しをつけて

表紙と合わせて、完成です

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

「なつかしのグループ・サウンズ」

シンコーミュージック 1993年

あじろ綴じ、ソフトカバー

 

 

before

 

 

そこまで壊れていません

背表紙が少し剥がれています

 

 

ノドが開きはじめています

 

 

背表紙は貼るだけ・・

あじろ綴じもノリを入れるだけ・・・

という修理です

 

 

あじろ綴じはノリを入れすぎると

その部分のつなぎが強くなり

他の部分が外れてくるので

ノリを入れ過ぎないのがベター

 

どんどん外れてきてしまったら

すべてバラシてあじろ綴じし直すか

平綴じでガンっとまとめてしまうか(開きが悪い)

和紙で折丁をつくって糸かがり綴じにするか

などの選択を取ることもできます

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご依頼、ありがとうございました

 

楽譜は、繰り返しページをめくることが多いので

背が傷みやすく壊れやすいです

まだまだ使いたい、

思い出が詰まっているので残したい

など、目的に合わせて修理します

 

 

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 17:06 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 漢和大字典

 

 

 

 




本の修理をしました

 

 




『新修漢和大字典』

小柳司気太    博文館   
増補版第一版 昭和11年

印刷者 井上源之丞   
印刷所 凸版印刷


before








背表紙が外れてしまっています
厚みがあります、約80mmほど




本文紙の状態はとてもいいです
破れや綴じの外れなどはありません




どうしても表紙に近い折丁が外れやすくなります




平ヒモの支持体?と思いましたが
表と裏に近い折丁に3本渡してありました


補強のための平ヒモです
厚みがあるとどうしても最初と最後の方が
表紙に引っ張られて壊れやすいので、納得です

さて、この平ヒモはほんの序章?
修理のために本を分解すると
この字典の製本がすごく丁寧なことがわかってきました
せっかくなので、構造メモを残しました


また、ご依頼主さんは
旧仮名遣いで振り仮名のある和辻哲郎の初版を
この字典を使い、読んでいたそうです
まだまだ字典も他の本も読み込みたいということで
機能性重視で直してほしいということでした




 


 

 

・・・


最初に、、、構造メモです

※寒冷紗は通常通りにありましたが、書いていません


見返しは、効き見返しと遊び見返しを分けて
キャラコで繋げています(以下の写真1,2)

そのキャラコも遊び見返し側で折り込まれ
折丁と一緒に平ミシン綴じされている(3)
ミシン綴じも、折の真ん中までで(4)
負荷の多い表側は2折、裏側は1折の綴じです


(1)


(2)


(3)



(4)


巻き見返しなど、昭和初期の製本にはいろいろあるけど
なかなかの丁寧さです
製本所の情報が奥付になかったのは残念・・







丈夫な製本方法なので
同じように直すのもいいのですが
もっと良く(というのは言い過ぎかもですが)

直すこともできるかな、と思い

構造を変えて直しました
 

 

 



まずは、分解



この製本の見返しは、効き見返しと遊び見返しが分けてあり
のどはキャラコなので、のどが壊れにくく
丈夫です

ただ、見返しは中身と表紙をつなぐ役目が主です
大切な情報が印刷されていると

表紙の壊れとともに破れてしまったりします
(伝統工芸の製本は、遊び見返しと効き見返しが別々です
それは、中身と表紙は支持体でつながっているので
見返しでつなげる必要はない、わけです)

デザインとしては、本を開いたときに、
まずは見返しで本の良さを噛みしめることができるので
見返しにイラストやデザインがあったり、
きれいな紙を使うのは嬉しいとは思いつつ・・

見た目よりも機能性重視ということなので

(見返しを見返しとして戻した例→
見返しは裏打ちして再生し、
ギャルドブランシュの頁として綴じこむことにしました
(afterの構造メモを参照してみてください)






背には、補強のためにクータをつけたいので
もとの接着材(膠でした)をある程度残したまま
寒冷紗も残したまま、寒冷紗とクータをつけました

 

クータとは、筒状の紙、です
上製本の中身の背と背表紙の内側は空いています
(タイトバックという製本方法で
背がばっちり貼り合わさっているものもあります)

中身の背と背表紙の内側をつなげて
本の背と中身を支える役目がクータです



また、平綴じの構造はノドから切れてしまうことがなく

丈夫なのでいいなとは思いつつ、
壊れた状態を見ると

平綴じされていない繋ぎの折丁部分から

結局は外れてしまっていたので、平綴じは外しました







修理後の構造はこのようになりました

※寒冷紗とクータはありますが、書いていません

ギャルドブランシュは無地の折丁です
ギャルドブランシュの1ページに
見返しを全面貼りにすることで
見返しがのどから切れにくくなります
通常、無地の8ページの折をつくりますが
もとの見返しを和紙でつなげて
ギャルドブランシュの一部として綴じました








after













 

 

ご依頼、ありがとうございました

 

 

辞書そのものを読む楽しみといえば

新解さんだよなあ、新明解国語辞典を思い出しますが

ご依頼主さんのお話を伺うと、

この漢和字典も読むのが楽しそうです

(新解さんとは、赤瀬川原平の「新解さんの謎」のことです

はじめて聞いた!という方は読んでみてください)






 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 16:23 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 柳宗悦

 

 

 

 




本の修理をしました

 

 

 


『工藝の美』柳宗悦
製本:宮本忠昌 昭和17年 私家版

before

 

 



一昨年に日本民藝館の書物工芸展で観た本です!

素材も印刷も製本も美しいですね

本文紙には三椏紙を

表紙布には葛布(くずふ)が使われているとのこと

私家版限定本です


 

 

壊れはシンプルです
その他の痛みなどはありません

一折目の綴じ糸が切れて接着剤も剥がれ

二折目から離れそうになってる、というもの



 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

本文も表紙芯材も逆目でしたが

アルアルなので仕方ないです
 

 

ご依頼主さんのご希望は

何度も読みたいのにこれでは不安で開きづらい

としても大切にしたい、とのことでした

 

 

 

 

 



一折目の綴じ糸が三ヶ所のうち二ヶ所切れている

ということは、糊だけの修理では

一折目はその後にまた分解の恐れがあります

少し解体して直すことにしました
 

見返しを一折目から離して中身の背を露わにします

一折と二折目を糸で綴じ合せ、糊で背固め

寒冷紗はないのでそのまま見返しを戻す

 

 

 









 

 

 

 

 

 

after

 


 







 

 

 

 

大切な工芸品の修理について
ご依頼、ありがとうございました

 

 

状態や修理の目的によっては

こちらで「直さない」と判断する場合もあります

ご依頼主さんが想像していた以上に

直す部分が多くある、という場合もあります

ご相談は無料ですのでお気軽にご相談ください

 

 

 




 

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| 本の修理ビフォーアフター | 12:29 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 絵本

 

 

 


本の修理をしました

絵本です



 

 

 

『ちいさいモモちゃん おんにょろにょろ』

松谷みよ子・文 中谷千代子・絵 講談社

1977年、中綴じ、ハードカバー
 


before


 

 





家族からの依頼です

母から送られてきました

 

おんにょろにょろ、懐かしい、、、

歌うように読むと楽しい

登場する飼い猫はかわいいけど

鼠を食べようとするのでちょっとこわい、

という記憶が戻る


母が言うには、私の妹の娘(初孫)に
この絵本を贈ろう!と
本棚から取り出したら壊れていた、

とのこと



状態としては
背表紙がなくなり見返しも切れて
表紙と見返しが分割されてしまっています
また読めるように直ればいいよね
ということで
直し方については
私がやりたいようにやりました


 

 

 




中綴じのハードカバーの構造は
見返しを本文と一緒に中綴じする
という点で、
折丁の重なる綴じの見返しとは異なります


直し方としては
和紙で幅狭の見返しをつくり
一緒に中綴じする
新しい背表紙をつくって
継ぎ表紙のように表紙をつなげる
中身と表紙を合わせて

和紙の見返しを貼る、
などがあるかと思います

ですが、
ちょっと見た目がよくないかも、、
修理は見た目ではないけれど
見た目も良くして機能もしっかりしたい
と思いました

そのためには
製本される前の素材に戻せばよい、です



表紙の芯材に貼りついている
見返しと表紙を剥がし、
裏打ちして再生しました

 







見返しは和紙で背をつなぎます




素材にほぼ戻ったので
中綴じのハードカバー製本で
仕立てます

本文と見返しを合わせ
寒冷紗を貼り、中綴じします

表紙平の表に継ぎが出ないように
表紙はドイツ装にします








 

 



after







 


 

 

一度壊れたり傷んでしまうと

すっかり元通り!

というわけにはいきません

ただ、

1冊の絵本として手に取り、

表紙を開き、ページをめくって読む

「本」に戻すことができます


 

 

 

 

私にとっては姪っ子・・

たくさん読んでほしいです

おんにょろにょろ♪

引き継がれるといいな
 






 

 

 


 

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| 本の修理ビフォーアフター | 16:02 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 独和辞典

 

 

 

 


本の修理をしました

独和辞典です

 

 

 

 

 

『GROSSES DEUTSCH-JAPANISCHES WORTERBUCH』

1990年、糸かがり、総革地券装

before











壊れはそこまでひどくないけれど
これから壊れていきそうな状態です

ご依頼主さんも、
このまま使っているともっと壊れそうだから
今のうちに修理したいとのことでした

 
状態としては
背表紙が天から壊れかけている、
見返しから引っ張られ最初と最後の折丁が
外れかけ切れかけている(見返しは問題なし)
表紙の地にスレあり











見た目も変えずに丈夫に直す
という修理も可能ですが、
今後も丈夫に使えることが最優先で
予算の希望もあったので

見た目を戻すということではなく
機能性を重視して直しました




1、中身と表紙を分ける
2、外れかけた折丁を外し、背を和紙で補修、
ギャルドブランシュをつくり見返しをつける
3、糸で綴じ直す、クータをつける
4、表紙を直す
5、中身と表紙を合わせる

という段取りのうち4については
新しい表紙にすることで修理工程を減らしました
もとの表紙は地券装なので
同じ地券装にしてもいいのですが
厚みあるの中身の重さに地券紙は弱いということもあり
使い勝手と丈夫さのバランスから
1mm厚芯材を使いました
素材は革から布へ変更

また、見返しに印刷がありました
剥がして再生するという工程も減らし
カラーコピーして(ご依頼主さん了承済)
見返しとしては使わずに、中身保護のための
ギャルドブランシュのページとして綴じ込みました
見返しには新しい紙を使いました





※ちなみにこの本は、もともとクータがついていました!!
市販の本ではなかなかないので記録(やっぱり牧製本さん)














after















 

ご依頼、ありがとうございました

しっかり長持ちしますように



 


 

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| 本の修理ビフォーアフター | 14:37 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 紙葉

 

 

 

 




本の修理をしました

紙葉です

 

 

 

 




『LA REDEMPTION PAR LES BETES』

Pierre Bonnard (1959)

 

 

before



 

 



綴じられていない紙葉の状態

紙はとっても質のいいコットンペーパー




 

破れた部分を直します




 

 


まあまあ厚みのあるコットンペーパーです
10枚ほどまとめてグイッと千切られていました
それにしても何があったの?というぐらいの破れ方
ご依頼者さんによると、意図的に破っている、
とのこと




刃物で切れたわけではなく
手で千切るように切れている場合は、
多少重なりの部分があります
まずはその重なりを貼り合わせ、
そのあと極薄楮和紙にてカバー

 





 

 



after


 




 



 

 






 

人間であれば、傷口は絆創膏を貼ったり
縫ったりしておくと
細胞が再生されて治ります

紙はセロテープを貼っておいても
自然と再生されることはない
紙は紙で直す
優しい和紙の繊維にて修理

よしよしよかったね、、、

 

 

 

ご依頼、ありがとうございました

 

 

 

 


 

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| 本の修理ビフォーアフター | 19:15 | comments(0) | - | pookmark |
出張!本の修理屋さんでした

 

 

 

 





2月の三連休最終日
神保町のブックハウスカフェさんへ
本の修理屋として出張してきました


 



 

 





本の壊れ具合、新刊かどうか、
大切な書き込みがあるか、など
本によって判断は異なるのですが、

修理はできるけれど新しく購入したほうがいい

(金額的にです・・・)
という場合もあります

そんな旨を伝える場面も出るかなと考えてましたが

そのような場面は出てこなかったです!

 





・・
そしてスタッフさんから
壊れた本が持ち込まれました

用意していた材料と道具で直せるものだったので
修理デモンストレーションを行いました


小さい子が覗き込むように
「何してるのー?」と声をかけてくれたり、
かわいかったですね

 

 

 

 


 



修理デモした本は
『月刊たくさんのふしぎ』です


『月刊たくさんのふしぎ』は冊子です

製本方法は針金中綴じの中身に表紙がついています

 

表紙と一緒に針金中綴じしてある方が

壊れにくいのですが、
針金が外にあると危ないですし、

これはこれでベストな製本でしょう



ですが、やはり・・

中身と表紙が別なことと付録の重さもあって
中身が表紙に引っ張られたようです
針金まわりが破れて表紙から浮いてしまい
外れそうになっていました










製本がシンプルだからこそ
修理もシンプルにできます

 

まずは中身と表紙を分けます



 

 


中身の破れた箇所を背中から和紙で補修して

糸で綴じ直します



 

 



中身の背や表紙の背の内側についた接着剤を

取り除きます





 

 

 

 

 

そして背に接着剤をつけ

中身と表紙を合わせます

 



 

 



完成です






修理に興味を持っていただいた皆さま、
ブックハウスカフェさん、ありがとうございました




 


 

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