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本の修理 楽譜

 

 

 

 

本の修理をしました。
楽譜です。


「HANDEL'S MESSIAH 1960年世界的改訂による日本新版」基督教音楽出版
糸かがり綴じ、チリ有りソフトカバー

 

 

合唱のために長く使い続けている譜面とのこと。書き込みやインデックス貼り、クリップ留め痕跡はあるもの本文紙はしっかりしていてきれいです。表紙は背表紙を中心に中身を保護する役目を全うしていました。

 

 

 

 

 

 

before

 

 

 

 

夏に合唱の発表会があるため練習がはじまる前までに直したい。とにかく中身が大事なので、捲り易く、手で持ち易く譜面台に立て易く、表紙は新しいものでエンジに近い色味で。というご希望でした。

 

 

 

 

 

中身の修理。インデックスは不要とのことで取り外し。折丁毎に解体し掃除、和紙で補修、本かがりで綴じ直し。ギャルドブランシュ、幅広クータをつけています。表紙は布表紙の地券装に改装。エンジ色は市販の裏打ちクロスからいくつかサンプルを送って選んでいただきました。

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的に読譜は好きです。音の粒を噛み締めたい。ただ、頭の中で譜面通りに音は響くものの口からは正確に音符が飛び出ないので気持ちよく歌っている人を尊敬します。そしてハーモニーは何ともいえぬ唯一無二の音の重なりで大好き。美しい発表会になりますように♪
 

 

 

 

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本の修理の方法は
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古本と手製本ヨンネ 
植村愛音
info@yon-ne.com

 

 

 

| 本の修理ビフォーアフター | 16:16 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理  ステープル製本「Bradshaw’s Continental Railway Guide」

 

 

 

 

 

本の修理をしました。


「Bradshaw’s Continental Railway Guide」
1896年刊
ステープル製本(ステープラー製本、針金製本)

袋有り・結び紐付きハードカバー

 

 

 

とある翻訳者さんからのご依頼です。ロンドンで出版された鉄道時刻表と旅行ガイド。貴重な資料として読みたかったけれど壊れているので怖くて開くことができない、というご相談でした。

 

 

 

 

 

 

before

 

表紙が外れ、遊び見返しは欠けている状態。表表紙は袋状になっていて古い地図などペラものが詰まっていました。裏表紙には紐が付いていてこれは本来もっと長くて表に回して結んで持ち歩くのかな?というような装丁です。

 

 

中身はこれが扉なのかな?欠けているのかも…?気になるのはそれぐらいで、綴じはしっかりしています。そもそもこの綴じ、はじめて出会った綴じでした。1折1折りは4箇所のホチキス留めのような中綴じ。では折同士はどうつながっているかというと太めの平紐2本の支持体にホチキス留めをしているため支持体有りのかがり綴じのような構造がかろうじて成り立っているという。平紐は見返しの裏側まで延ばして貼り込んでいたようですが表紙の外れとともに切れてしまっているようでした。

 

 

 

 

↓この支持体のような平紐にホチキス留めのように針金で1折につき4か所、がちりと綴じられています。もちろんケトルステッチはありません。(この綴じ方については後述します)

 

 

 

・・・

 

修理。ホチキス(針金)はいづれ錆びるのですべて取り除きたいところですが中身はしっかりしています。ここで分解するとボロボロになりそうなので現状維持にして表紙を中心に直しました。背表紙に革を使って分かれた表紙を1つにし、袋部分は壊れやすい構造だったので構造を変えて袋を作り直しました。中身は寒冷紗やクータを合わせて補強しています。
 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

ステープル製本(ステープラー製本、針金製本)について

はじめて出会ったこのおもしろい綴じ。気になり過ぎて心が躍っていましたが修理している間は調べることもなく。修理が終わってIGに写真をあげたところ、ある方から岡本幸治さんがこの綴じについて言及していたと教えていただきました。岡本先生が!それは嬉しい。参照で教えていただいたのは千代田区図書館での針金綴じの講演(→)この講演は行きたかったけど行けなかったやつ!そして内容の資料はこのサイトにはない。それから一橋大学社会科学古典資料センター(→)の資料も教えていただきました。ただ文章だとモノがよくわからなくて針金綴じは指すものが異なることもあるのでこの参照ページだけではよく分からずでした。

 

ただ、一橋大学社会科学古典資料センターの資料のなかで「針金を綴じの材料としたステープラー綴じは 1880 年代から約 50 年間に渡って行われ、錆びの問題が発生している」という記述があり、「ステープラー綴じ」とは?中綴じでも平綴じでもない綴じのことを指しているのかどうか、しかしどう調べれば・・途方に暮れて自分の製本本棚から参考文献を探してみることに。すると東京製本倶楽部が出していた「製本用語集」が目に留まり、期待値あがりながらページを捲って「す」の行へ。「ステープル製本」!あった!

 

●ステープル製本・・・「製本用語集」東京製本倶楽部 より

"staple binding 針金や金具を用いて折丁を綴じる製本。ドイツの量産体制に入った時代の製本にもよく見られる" とのこと!まさにこれですね。モノクロだけど写真もあるので確かです。しかも修理した「Bradshaw’s Continental Railway Guide」が1896年刊なので、まさに時代もぴったりと合う。ただ、イギリスの本だけどドイツで製本したのかな、そこらへんはわかりません。もしかしたらイギリスでも一時的に主流だったのかな。

 

さらにさらにそのある方から追加情報が。「メタルカラーの時代4」山根一眞 著、こちらに岡本幸治さんとの対談があり、そのなかでステープル製本について語られていると。"1870年から1880年頃からこの針金綴じが増え1900年代初頭にはなくなる"という記述があるようで。このメタルカラーの時代の古書、秒でポチリしました!

 

そうすると、ホチキス、ホッチキス、ステープラー、ステープル、その歴史は?という疑問も出てきたのでWikipedia(→)へ。"現在ステープラーと呼ばれている文具の原型が生まれたのは、18世紀頃のフランスと言われている"そうです。

 

イギリスで出版だけど製本はドイツなのか?この点もやはり気になります。その点をご依頼主さんに質問してみたところ、以下のお返事があったので追記しておきます。"19世紀末にはドイツのタウヒニッツ社(Tauchnitz publishers →)という出版社がライプチヒで英語の本を出版していました。コナン・ドイルの作品も出しています。イギリス以外の国に英語の本を供給するためだそうです。ですから英語の本をドイツで印刷していてもおかしくないのかなあとは、思いました。またこの本はご存知通りヨーロッパ旅行案内ですので、大陸で編集していたことも考えられます。すると印刷も大陸で、ということもありえるかもしれません。ちなみに20 世紀の末頃は、イギリスの出版社の本を買うと、スペインで印刷されたというものがいくつもありました。たしか当時はスペインのほうが印刷代が安かったから、ときいています"

 

 

 

 

なるほど、めちゃめちゃおもしろい…!そしていろいろと勉強になりました。ご依頼主さま、綴じについて教えていただいた方、本の修復の岡本幸治さま、本当にありがとうございました。

 

 

【追記】

「メタルカラーの時代4」が届いたので、岡本幸治さんとの対談部分を読みました。ほんの20頁ほどですが、欧州文化の極み「本の美術家」の「古書修復法」として分かりやすく本の修復について触れることができます。そして例のステープラーの綴じについても触れられています。"旧東欧圏やロシアの本に多い。「出版地ライプチヒ」なんていう名が出てくると、これは危ないぞと。"

 

やっぱりライプチヒ!ご依頼主さんの話と通じますね。参考文献にぜひ。

 

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 20:20 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 随筆

 

 

 

 

 

本の修理をしました。
「雉子日記」堀辰雄 河出書房 1940年刊
糸かがり綴じ、見返し有ソフトカバー

 

 

小説「風立ちぬ」などで知られる堀辰雄の随筆「雉子日記」「雉子日記」は講談社文芸文庫などにも収められていて手に取りやすい版もありますがこちらは1940年初出の河出書房版です。

 

 

 

 

 

before


糸かがり綴じとはいえ背固めの接着が弱って本を開くと不安定、ぱかりと背割れしている状態。本文紙も表紙も痛んでいます。

 

 

 

 

 

ご依頼主さんのご希望は、手にとって安心して読めるように。それから装丁をハードカバーにリメイクしたいということでした。リメイクのイメージはとある詩人の本。その本の雰囲気から表紙を合わせてもらいたい、とのこと。その詩人の本は文庫本より大きめで単行本より小さめ、束は10ミリほど、表紙は1ミリ厚の丸背上製本でした。花布はありません。表紙の色味は灰色と水色の間のような柔らかい色で、見返しは明るめの赤です。

 

 

全く同じというわけではなく雰囲気を近くということなので表紙と見返しの色と素材をこちらからいくつか提案して選んでいただきました。また「雉子日記」は束が20ミリほどになるので花布をつけることをオススメしました。修理については、解体、補修、糸かがり綴じ、ギャルドブランシュやクータの補強も合わせて、表紙は1ミリ厚の丸背上製本です。

 

 

 

 

 

progress

解体、掃除

 

 

 

折丁背の補修

 

 

 

糸かがり綴じ

 

 

 

丸み出し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

2ミリ厚の上製本はしっかり重厚感がありますが1ミリ厚にすると軽やかに仕上がるのがいいですね。「素材は選んでいたもののどんな雰囲気に仕上がるか予期できず楽しみにしていたので嬉しい」ご依頼主さんからお返事をいただきました。こちらこそです。ご依頼ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 17:17 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 机上辞典

 

 


本の修理をしました。


「机上辞典」糸かがり綴じ、地券装

 

ご依頼主さんの亡くなったお父様が愛用していたという辞典。形見として持っていたいけれどボロボロなので修理したいというご依頼でした。

 

 

before

 

 

 

 

 

テープで補修した跡があり、表表紙と見返しは欠落、折丁も2折り目までは欠けた頁や折れ、綴じの外れなど。テープで貼り付けた際に頁の順番がズレてしまっていたり。今後、頻繁に使うというわけではないけれど中身を直して表紙を新しくしたいというご希望でした。

 

 

・・・

 

中身と表紙を分ける。裏側の見返しは剥がして裏打ち。ページの折れや破れを補修し折丁として戻したら綴じ直す。裏側の見返しも綴じ込む。ギャルドブランシュを合わせて中身を保護する。新しい革表紙を合わせる。

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

大切な本の修理をご依頼いただき

ありがとうございました。

 

(この「机上辞典」以前も別の方からご依頼があり修理したことがあります。言葉の英語表記もあり、漢字のペン字書体も明記され、イラスト豊富、地図もある、ペラペラと読むのも楽しそうだな、という辞典です)

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 18:18 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 母子手帳


本の修理をしました。


 

中綴じの母子手帳です。母子手帳は修理のご依頼で多いもののひとつ。聖書、辞書、辞典、楽譜などと並びます。ひとつの命が産まれる前と産まれた後の最初の記録。買い替えが難しい本でもあります。

今回は水濡れしてしまいしわしわになってしまった母子手帳の修理のご依頼でした。

母子手帳は自治体によると思うのですが製本は中綴じ、あじろ綴じ、今まで見かけたものはこの2種です。中綴じの場合は100頁近くあるので25枚の紙が重なり一折になっています。綴じはシンプルなので直しやすいです。

 

 

 

before

 

 

 

 

 

 

 

水濡れのシワについては、まず綴じを外して1枚1枚の紙に分けてそれぞれ改めて水分を与えてからプレスして乾かします。1枚1枚シワが伸びたら改めて綴じ直します。

 

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 


来月にも使う予定がある、ということで他の修理本よりも優先して直しました。大切な成長記録の修理をご依頼いただきありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 21:21 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 名簿

 


本の修理をしました。


大学の卒業名簿 1979年
無線綴じソフトカバー

 

 

持ち主の奥さまからのご依頼です。持ち主さんの大学卒業名簿で、当時の名前、住所、電話番号が記載されている個人情報満載の1冊。無線綴じの並製本。

 

卒業してから44年経つ今でもこの名簿をめくりながら記憶を辿ったり思い出を振り返ったりしていてページがバラバラになってしまっても頻繁に読んでいたとのこと。持ち主さんが怪我をしてしまい少しでも英気を養ってほしいと修理の相談がありました。読みやすく壊れにくく現状の並製本と同じような装丁をご希望です。

 

 

before

 

 

 

無線綴じの綴じ直しをする際の説明として、いつも3つの綴じ直し方法(無線綴じ、平綴じ、糸かがり綴じ)とそれぞれの利点欠点をお伝えしています。今回は開きやすく読みやすく壊れにくくということで糸かがり綴じで直すことになりました。

 

 

 

 

 

工程は本文紙を1枚づつ解体、接着剤を取り除き和紙で補修、背を和紙で繋ぎ折丁化する、中身保護のためギャルドブランシュを合わせる、目引きして見返し貼り、そして糸かがり綴じ。表紙はもとの表紙を使って、背はクロスで仕上げました。

 

 

 

 

(バラバラのペラ丁で和紙でつないで16頁1折の折丁に直す)

 

 

(糸かがり綴じ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

本の修理の相談では、辞書や聖書など毎日開く本、買い替えできない書き込みのある愛着本、引き継いでいきたい大切な本などが多くありますが、名簿については初めてでした。名簿を読む!紙から立ち上がる記憶と光景!心のアルバムとしての名簿ですね。ご依頼ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 17:00 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 神職教本

 

 


本の修理をしました。

「雑祭式典範」平岡好文著 1938年 京文社
512p、糸かがり綴じ、丸背上製本

お祖父様から受け継いだ昭和初期の神職教本。大事な時には読み返す大切な本とのこと。表紙は痛み、背表紙はなくなり、綴じは壊れて後ろのページは破れもひどいです。安心して読めるように修理してほしい、表紙はリメイクで、とのご希望でした。

聖書の修理は多く承るものの、神職教本ははじめて見ました。図説もあったりして何となく見たことのある道具なども。とても分かりやすそうな本です。

 

before

 

 

 

 

 

 

 

修理は解体から。

中身はすべてバラして掃除、破れを和紙で補修、折丁に戻して背の補修、綴じは支持体麻紐の糸かがりで。
 

 

(補修した背、目引き前)

 

 

 

(糸かがり綴じ)

 

 

 

 

 

表紙は麻布でリメイク。中身を保護する無地の折丁(ギャルドブランシュ)や、働く背をしなやかに補強するクータも合わせています。(函に収めたいところですがそこはご希望やご予算もあるので)

 

 

 

 

 


大事に読みながら永く引き継いでいただけると嬉しいです。

 

悪いことが起きないように、皆んなが幸せになれますように。神職さん、よろしくお願いします。

ご依頼ありがとうございました。

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 16:16 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 無線綴じの本

 

 

 


本の修理をしました。

 


「最新 代数学と幾何学」昭和50年 
無線綴じ、ソフトカバー

本の修理では聖書や辞書が多いなか、数学書です。ご依頼主さんが大学生の時の教科書で座右の書となり長く読み続けているとのこと。無線綴じの並製本でした。読んでいるうちに背割れしてそこを接着剤で直してまた別の箇所が背割れして接着……を繰り返していたようで背がガチガチでした。パッカリと外れてしまう箇所もあればノドから10ミリぐらい接着剤が貼り付いていて開きにくい部分もあったり。

 


修理方法としては3つの綴じ直しが考えられました。無線綴じ、平綴じ、糸かがり綴じです。それぞれの構造的な特徴をお伝えし、今後もまだまだ読み続けたいということなので、開きがよく読みやすく壊れにくい糸かがり綴じで直すことになりました。

 

 

 

 

 

before

 

 

 

 

 

 

 

 

作業工程は、本文紙を1枚づつ解体、接着剤を取り和紙で補修する、背を和紙で繋ぎ折丁化する、中身保護のためギャルドブランシュを合わせる、目引きして見返し貼り、そして糸かがり綴じ、です。表紙はもとの表紙を使い背はクロスにして仕上げました。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

本を直すときにはご依頼主さんと本の思い出と未来を少しお裾分けいただけるのでいつも温かくなります。その人とともに生きている本を修理することができて嬉しいです。ご依頼ありがとうございました。
 

 

ご依頼主さんにも「数学教師の書斎」(→)というブログにて紹介していただきました。読書の記録も興味深いです。★をクリックしてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

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| 本の修理ビフォーアフター | 12:00 | comments(0) | - | pookmark |
本の修理 革装の辞典

 

 

 

本の修理をしました。


「新英和中辞典」研究社
糸かがり綴じ、革装、地券装
 

 

自分の使っていた辞書を子供に引き継いでもらいたいというお父さんからのご依頼でした。表紙の革が劣化して中身と分離しそう、中身は真ん中辺りの糸が緩み背割れしている状態。表紙はもとの表紙と同じ革装をご希望です。

 

before

 

 

 

 

 

 

 

見返しに印刷あり、剥がして補修し中身に綴じ込みました。背割れの部分は綴じ直し背固め、背にクータを。中身にギャルドブランシュを合わせて見返しは新しく、表紙も新しい革でくるみました。タイトルは不要とのことでシンプルに仕上がっています。

 

after

 

 

 

 

 

 

 

ご依頼いただきありがとうございました

 

 

 

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本の修理 革装の辞典

 

 

 

 

本の修理をしました。
 

 


研究社の英和中辞典、革表紙です。

電子辞書を使うようになったけれどやっぱり記憶に残りやすいのは紙の辞書。使い慣れたこの辞書を改装してもう一度読み込みたいというご依頼でした。
 

 

before

 

 

表紙の革は劣化しています。見返しも外れていました。最初と最後の折丁に破れあり。そのほかの中身はほぼ問題ありません。

 

 

 

 

 

 

 

ボロボロの革は新しく、表タイトルは再利用しました。見返しは剥がして裏打ち、ページの破れ補修、最初と最後の折丁は背の補修をしてから綴じ直し、保護ページのギャルドブランシュは加えず直しました。背の補強のためクータはつけました。

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

ご依頼いただきありがとうございました

 

 

 

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